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2009年1月

NOA2到着

NOAは Notice of Action の略。

Notice of Action には2種類ある。「米国移民帰化局に提出されたあんたらの書類はとりあえずこれから見始めます」というNOA1と、「おつかれちゃん。今回の書類そろってたし内容の不備もなさそう。次の部署にまわしときます」というNOA2。今回はその後者が届きました。提出から17週間だから、ほぼ4ヶ月。ビザの2大ステップ、「請願」と「申請」のうち、前者が終了したということになる。らしい。

書類は米国移民帰化局の手を離れ、次はポーツマスのビザセンターに送られて次のステップに移ります。おおまかにはスポンサーである王子がわたしに何かあった場合に国に頼らずに養うだけの定期収入・資産があるという証明書類を腐るほど取り寄せて提出書類を記入して送り返すのと、申請者であるわたしが申請書類を腐るほど記入して送り返すのと、それぞれが何万か費用を送りつけるという同時進行になる。たぶん。さらにそれがオッケーが出たらまた次がある。ような気がする。

このわたしが書くという書類の項目に「これまでの渡米について場所と日付をすべて記入」というものがあって、正直自分自身でも何度アメリカに行ったか覚えていないので、これまでのパスポートをすべて出してきて書き出す作業が待っているみたいです。

かなり回数こなしているのであれだけど、今歴代のパスポートをすべて出してきて感動した。アメリカの空港での入国審査時のスタンプはかすれてるわ字は汚いわで日付がとても見にくいのだけれど、日本の出国・帰国スタンプはすべてきっちりきれいに、そして同じページに出国と帰国とが並んで押されていて、20年経った今でもはっきり読み取ることができる。日本がいいなあと思うのはこういう細やかな、ほとんど無駄ともいえるような一般の人たちのまっとうな仕事なのかも。これをかの国に求めたら失望だらけだよ~。

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愚痴

今回はただの仕事の愚痴。

夜勤専従をしているので、同じく夜勤専従をしている同僚と勤務することが多いんだが、この夜勤専従の彼女がどうやらとても不幸な人で人の悪口を言うことがとても多く、そのとどまることを知らないネガティブさに正直こちらが不幸な気持ちになる。とにかく見境がない。よく一緒に遊ぶ同僚だろうが、5分前までそこにいた人であろうが、その場にいなければハデにこきおろす。

新人とみればいかに使えず社会人としてもまったくなっていないか、上司はいかに管理能力が足りないか、そのほかのスタッフなら常識がないとかいい子ぶっているとかきれいだと患者に言われていい気になっているとか要領が悪くて早く帰れないとか働きすぎてバカだとか、よくそこまでネガティブに見るよなあと感心するほどだ。いったいどれほどの劣等感があるのか、どれほど自己評価が低いのかと勘ぐりたくなる。

スタッフでひとり、20代前半と若くして結婚し、親の家のある敷地に家を建てた人がいる。今のところDINKSで普段はかなり節約して生活し、1年に一度ふたりでハワイに行くことにしているという。

そのスタッフが彼女にかかるとこうなる。

「あんなに若くって結婚なんかして、相手は一人じゃ住宅ローンも払えないからあの子も働かなきゃならない。今じゃダンナは他の子と遊びまわってるって。あの子は”お互い遊びに行くのは了承済み”とか言ってるけど、もう全然夫婦じゃしてないって。あんなにでっかい家を建てて子ども部屋もあってあとは子どもだけだけど、できないんじゃ意味ないのにね。だいたい最初っからそんな家建てずに、あとから建て増したらよかったのに、バカだよね」

まあいろいろといやらしい。余計なお世話だわ、女って嫌だわ~。気分が悪いからやめてって言ったらナースシューズに画鋲の一個も入れられそうだわ~。

でもまああれだ、若くして結婚したその彼女はおそらく自分のことを「勝ち組」だと思っていて、だからこそ自分のしあわせぶりを30代目前結婚予定なしの同僚に知らせる代わりに「ローンもあって若いのにレスで、ダンナは遊びまわっちゃってるしでヤバいのよ~」って言ってるんだろうから、それを真に受けていい気になっているのもなんというか、こう、寂しいもんではある。

わたしは何て言われているのかなあ。結婚は手続き上だけで最後に会ったのは半年前、今はさびしく夜勤専従をしていて、やっと渡米が叶っても働いて住宅ローンを返さないとならない生活が待っている、とかなんとかかなあ。

大筋では間違ってない。わたしが口で言うほどあんまりみじめだったりさみしかったりしないことを除いては。

そりゃ言えないよなあ、30代目前独身、実家暮らし、とどめにお稽古ごとは絵画教室という縁遠さは四暗刻立直両面待ちのこの彼女に、好きな男が自分のために金と時間をかけて永住権をとってくれていて、一緒に待ち遠しいねって話すのもいいもんだよなんてな。

うん、わたしもだいぶ性格が悪い。

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退院

義母が調子が悪くて入院したと聞いたのはしばらく前、そして今日退院したと聞いた。もともと独居だったから自宅にはまだ戻れないということで亜急性期の施設に移ったらしい。

この入院先というのがわたしがしばらく前にボランティアをしていた私立大学病院、高度医療を提供できるが医療費はもちろんがっぽりいただきますぜ、というところ。大丈夫なのか!?と聞いたら

「いやあ~メディケアで全額カバーなんだよねえ」

ですと。65歳以上なのでICUに入ろうが手術しようが、はたまたそれが私立病院だろうが自己負担なしなんだそうな。まあもちろん若い間に掛け金を払ったからなんだが、それにしてもすごい。3割負担だの1割負担だのなんてことは言わない。おかげでメディケア適用ケースではほとんど医療機関の儲けはないらしい。

「一緒に住もうか」と言ったら、「それはだめだ、家族の問題を君にかぶせるわけにはいかない」と断られてしまった。

あの、わしらも家族なんですけど…まあおそらく本人がうんと言わないだろうな。とりあえず様子を見ますか。

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言葉より大事なもの

某SNSの外国人と付き合っている/結婚している人のためのコミュニティで最近見かけた投稿に「文化の違いや言語が障壁でけんかになる。彼から意思疎通がうまくいかないし深い仲になれなさそうだから別れようと言われた」というものがあった。

SNSなのでみんな優しい。見事なまでの女の子調のぬるい質問にぬるい回答、言葉よりも大事なものがあるとか、お互いに歩み寄る必要があるとか、英語が全然だめなアテクシあるいはアテクシのおともだちがこんなにうまくいってるとかいったお返事が山のように寄せられている。こういう歯が浮くやりとりは女の子ならではだと思うけど、驚いたことに本心で言っているからすごい。現時点までに相手から言葉の問題を指摘され別れ話をされているところで望みを見出そうということ自体に無理があると思うんだが。

母語を同じくしない相手との人間関係には言葉が大事だという議論と、同じ人間なのだから言語外でわかりあえるという議論は相対するものとしてよく言われるんだが、正直男女の付き合いにそれはねえだろうよと思う。うわっつらで惹かれあってそのまま男女として付き合うなら言葉も理解も必要ないし、反対にこいつの知的レベルはどうか判定するとか、そこから進んで自己開示するとか、さらに進んでふたりの関係に雨雲が見え始めたときにどれだけ相手の言うことを把握しこちらの言うことを理解させて歩み寄るかとか、そういったときに言語は必ず必要になる。人間は言語で概念を把握する、つまり言語にないものはその人間の概念にないと考えていい。相手が日本人でも、論理立てて話ができないやつは底が浅く頭がとっちらかっていることがわかるように、相手がどんなやつかを見極めるのに少なくともこちら側には言語力があった方がいい。ウチは言語力はありませんでしたがわかりあってうまくいってますからあなたも大丈夫ですよ!と言うのは、車で通常30分かかる道のりだけど今日は道ががらすきの上に信号が残らず青で10分で着いたから明日も10分で大丈夫だろうと言うようなもんだ。いやまあ着くかもしれないけどねえ、まあわしゃ30分前に出とくよ。

てか、言語力がないとここでキレておけ!というときにシャープに決まらないし、慰めの言葉も温かく決まらないから付き合っててつまらないと思うんだけどね。

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体調不良

20代後半の看護師とわたしとの3人で深夜勤務中、翌朝の日勤に当たっている中堅スタッフから「下痢嘔吐が続いていて、明日の勤務に出られそうにない」という電話連絡が入った。動けそうなら救外(救急外来)を受診してください、こちらは連絡しておきます」と答えて電話を切って、ほかの深夜勤務のメンバーに内容を伝えた。

もともとこの日の日勤は30代前半の彼女が一番経験年数が長くてあてにされていただろうし、そうでなくとも時期が時期だけにノロなんかの伝播力のつよいものだったらいやだなあと思っていたら、

「彼女、精神的に不安定なところがあるからね」
「よく下痢してるよね、過敏性大腸炎とかなんじゃないの」

など言いたい放題言われていた。

つい自分を振り返って「いやまあ、精神的に安定している30代独身女性なんていないからねぇ」と言ったら、

30目前彼氏なしのふたりは「いやあああああ」と言いながら逃げて行った。

いや、このスタッフが精神的に不安定かどうかは知らないけど。てか下痢嘔吐と精神状態なんて関係ないでしょ~。

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あけおめ!についてのあれこれ

王子とはじめて出会って年末でまる3年、ついでに新年だったのでお互いの場所の時間で新年になると同時に電話をした。つながるかなあと思いながら王子の携帯に電話をしたのだがあっさりつながった。日本時間の年越しの瞬間は携帯の通話だのメールだののつながりにくさは尋常でなく、今年も各キャリアから「年明けの携帯電話のご使用は控えめに」みたいなお知らせが出ていたんだがアメリカではそうでもないらしい。てかその話をしたら、ナニソレ?といった反応だった。そういえば同じ国でも時差があったっけ。意味ないな。

数え年が…ああ数え年が…

今日のお昼はハンバーガーです。ハンバーガーバンズを買ってきてトーストしてマーガリン塗って、塩胡椒した牛挽きにみじん切りのたまねぎをまぜてハンバーグにして、マスタードとケチャップかけてレタスとチェダーチーズをはさんでできあがり。だいたい100gの牛肉を使っているからクオーターパウンダーみたいな感じ。ポテトはジャガイモを粉ふきいもにして、お正月セールで100円だったペプシゼロ1.5Lと一緒に。300円くらいでできました。元気が出ないなあと思うときにはたんぱく質です。しかもできれば動物性の。

Ugly Betty(ブサイクベティ)というアメリカのドラマがあって、DVDでいまのところシーズン1の5巻まで見た。美しくなくどんくさいベティがファッションの世界になぜか入り込んでしまい、そこで持ち前の明るさと賢さで自分の場所を見つけ、さらにそこから物語が進んでいく…と、オサレだったり暗かったりする昨今のアメリカドラマとはかなり違う。よく考えたら主人公がヒスパニック系というのも異色で、ヒスパニック系のドラマのリメイクだからということもあるのだけれど、たしかに寅さんの一家みたいな家庭を白人家庭で描くのは昨今けっこう無理があるかも。それにしてもベティの彼氏はなんであそこまでイケてないのか。他人の男は客観的に見られるということですか。

王子のルームメイト、レイくんはその後アリスの復縁絨毯爆撃に遭いつつもひるむことなく他の女の子とお試しデートを重ねているらしい。すらりと背が高くてかっこいいから絶対もてる。今後15年くらいではげそうだけど、アメリカは比較的はげには寛容だからたぶん大丈夫。それにしてもアリスがレイと別れた理由、戻りたい理由には驚いた。そのうちまたエントリーに書きます。

どうぶつの森で魚釣りをすること数週間、家のローンを完済しました。完済した瞬間建て増しを提案されてまたローン組んだよ!

去年はなかなかおもしろかった。今年もおもしろいといいなあ。

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いつか、虹の橋のたもとで

ダックスは今年17才になる大年寄りのダックスフントで、その名前は最初の飼い主によってかなり適当につけられたと聞いた。


最初の飼い主だった男性はダックスを子犬の頃に貰い受けて育てたのだが、気に入らないことがあれば蹴とばしたりと家族も気の毒がる扱いを受けることが多かったという。ダックスはそれがもとで脳に障害が残り、ときどきてんかん発作を起こすようになった。それでも頑固で主人に忠実なダックスは主人に呼ばれればかけより、後ろをついて歩いた。そしてその主人が天寿を全うしたとき、ダックスは立ち直れないほどにふさぎこみ、しばらくは餌も食べることができなかったという。


男性の死後、男性を思い出させるダックスを飼い続けることを嫌がった男性の家族から王子はダックスを引き取った。しばらく経つと王子がダックスの新たな主人となり、ダックスは王子の親友となった。王子はどこへ行くにもダックスを連れて行ったが、連れて行けないときには親友に預けた。ダックスは普段決して騒ぐことはなかったが、王子が自分を置いて出て行くとまた捨てられたと思い、最初の夜は落ち着かずにひと晩窓際で主人を待ち続けるのが常だった。


そして数年前に王子のそばに見知らぬ女が登場したときも、ダックスはしばらくで自分を含めた位置関係を完全に把握しその女に従属した。女は王子のパートナーとなり、ダックスは女の親友となった。女が現れてからなぜかダックスのてんかん発作の頻度が減った。女は王子と、そしてダックスと一緒に暮らせるようになるのを待っていた。その後他の犬も家族に加わり、彼らとじゃれて遊ぶ安らかな日々が訪れた。


先週のある深夜、ひとしきり吠えたあとダックスは騒ぎ立てる他の犬に囲まれて庭で倒れているのを発見された。住宅街に現れた野生のコヨーテが180cmの垣根を越えて庭に入り込み、物音で飛び出し吠えたダックスをひと咬みで殺し、食べようとしたところに気の強い他の犬が吠えかかったためにダックスを置いて逃げ去ったと推測されるということだった。年老いて強くはなかったが、勇敢なダックスは家と主人とを守ろうとしたのかもしれない。


この世で人と愛し合った動物がその生を終えると、あの世の手前にある虹の橋に行くのだという。そしてその暖かな場所で主人があとから来るのを待つのだという。


いつか虹の橋のたもとで、ダックスがもっとも愛した人間と再会できることを願う。

…って、もしかしてもう会っちゃったかなあ。わたしとしては王子を待っててやってほしいんだけど。

ああダックス、王子には遠く及ばないけれど、わたしもきみのことがほんとうに好きだったよ。

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