マック計画
今日は家のことをひと通り済ませたら買い物に行こうと決めていた。昨日から行きつけのスーパーが特売で王子からいくつか頼まれていたものもあり、そろそろなくなるものもあった。ついでに久しぶり、というかこちらに来てから行ったことのなかったマックに行って昼ごはんにビッグマックを食べてこよう!と思っていた。王子は健康志向なのであまりファストフードを食べない。
そんなわけで出かけて行って、まずはスーパーであれこれ買い込む。アボカドが特売で1個59セント。牛ひき肉が1ポンド99円(1キロ換算で220円くらい)。2Lのダイエットコークが1本79セント。とうもろこしが3本99セント。なぜかないものがいくつかあるので、帰りに家の近くのスーパーにも寄ろうと思いながら車のトランクに買ったものを詰め込む。よしマックだあ!とエンジンをかけたら、
かからない。
ははは、もしかしてバッテリーが上がったのかな?と思いパワーウインドウを押すと上下する。ラジオもかかる。バッテリーじゃないじゃないの…
王子が持て持てとうるさかった携帯で王子に連絡する。
「あ、王子?今丘を下がったところのスーパーなんだけど…」
「うん、特にほかに買ってほしいものならないよ」
「それはよかった。でさ、エンジンがかからないんだけど」
「ありゃ。バッテリーが上がったんじゃないの」
「でも窓下がるよ」
「あそ。とにかく今から行く。15分で行くから待ってて」
日本人に15分で行くと言われたら遅くとも20分後には来るが、アメリカ人に15分で行くと言われたら45分はかかると思っていい。王子が40分後に来たときには「案外早かったな」と思った。
現れた王子はエンジンをかけてみて「バッテリーだねえ」とあっさり診断し、自分が乗ってきた車を動かして2台のバッテリーが近くなるように寄せると(BMWのバッテリーは後部トランクにある)ジャンプスタート用のケーブルをわたしが乗っていた車のトランクから取り出してつなぎ、自分の車のアクセルをしばらくふかしてからわたしにエンジンをかけてみるように促した。最初はかからなかったが、さらにしばらくアクセルをふかしたあと試すとBMWは生き返ったようにエンジンがかかった。
「ちょっと急いでるから戻るね。帰ったらチャージかけるけど、またエンジンがかからなくなると困るから寄り道しないでまっすぐ家まで帰りなさい。家に着いたらメールで知らせてね。じゃっ」と言って王子は消えていった。
ありがとう王子、きみはいいやつだ!と思って気がついた。
マック食いに行けねぇ…
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