トラフィックスクール
赤信号で交差点に突っ込んで違反切符をもらって結果的に罰金を払った。最後の仕上げはトラフィックスクールである。法的には罰金さえ払えばいいのだが、これをやらないと自賠責の掛け金がえらいことになる。
トラフィックスクール受講にはふたつ方法があって、ひとつは学校に出向いて1日受講するもの、もうひとつはオンラインで受講するものである。どちらも6~8時間程度かかるのだが、オンラインなら自宅ででき、途中でやめてまた翌日そこから続けるといったことが可能である。クラスでの受講はどんよりしているという話をどこかで聞いたので、とりあえずオンラインで探すことにした。
裁判所から送られてきた書類の中に「当裁判所で認められているトラフィックスクール一覧表」があって、そこから選べということらしいのだが、オンラインのトラフィックスクールはえらい数があってどこにしていいのか見当もつかない。
比較的近くに住んでいるらしい日本人男性のブログにトラフィックスクール受講についての記事があり、あるオンラインのコースを勧めていた。さらにクーポンコードのような数字も書かれていてこれでいくらか安くなるという。じゃあここにするか…と気楽に登録し、クレジットカードで支払いをした。
ところがこのクラス、始めてしばらくしたころからいろいろと気になることが出てきた。まずは宣伝がうるさい。ページを開くとまず出てくるのは「あなたのためにテキストを読み上げるオーディオサービス!いますぐアップグレード!ここをクリック!」というバナーである。
1ページ終わるごとに問題が出るのだが、これが面倒。しかも考えているうちにタイムアウトになりそうになる。なんとか最初の1章を終え、一度ログアウトしてお茶することにした。
これは8時間では終わらないような気がする、てかバナーで気が散るわ…と思いつつサイトに戻ったら、今度は「友達を誘ってお金稼ぎ!」というバナー。「このクーポンコードをお友達に紹介しましょう!ここを受講して修了したら報奨金を差し上げます」。
無視して次の章に移ると、やっぱり「いますぐアップグレード!ここをクリック!」のバナー。登録時にクレジットカードの番号が押さえられているから、うっかりクリックするとそのままチャージされかねない。
なんとなく気が削がれているところに「会員の皆さんへ」というタブが目に入り、そこをクリックして判明する驚愕の事実。
6~8時間のコースを受講した後で最終試験を受けることになるのだが、この際替え玉受験ができないよう、試験を受ける前に身分確認を受けないとならず、自宅で受験したい場合には信用情報会社のデータベースでの身分確認を受ける必要があるという(これはどこの管轄の裁判所からかによって違い、身分確認の不要な裁判所もある)。
これには別に費用がかかり、さらにデータベースでの身分確認ができなかった場合、払い戻しなし、さらに追加で費用を負担して公証人を探して身分確認をしてもらう、あるいはテストセンターまで出向いて利用料を払って試験を受ける必要がある。ここまでやると初期費用の3倍以上、教室で受講するより高い。
そんなことはトップページやそこからのリンクにはまったく触れられていなかった。
話はそれるが、アメリカという国では信用履歴が大変大事なので、誰でも1年に一度は無料で自分の信用履歴を確認することができるようになっている。そんなわけでわたしもオンラインで試したことがあるのだが、大手の信用情報会社のうちのひとつではわたしの信用履歴を確認することができなかった。
別の信用情報会社では身分を確認することはできたのだが、わたしの信用履歴に関する記載に「最近あなたの信用履歴を確認した団体」として、わたしが最近クレジットカードを申し込んだ会社の名前があった。このクレジットカード会社からは「住所が確認できなかった」と追加書類の提出を求められているので、試験のための身分確認ができるかどうかは若干怪しいところ。
そんなわけで追加で金を払ってオンラインで試験を受けようと思っても、身分が確認できません、と受験ができない可能性がある。そのあとさらに公証人を探すかテストセンターの予約をするかしないとならない。
ちょこっと検索したら他のオンラインコースはトップページでこのことに触れられており、「何らかの理由で信用情報会社のデータベースで確認できない場合、いかなる理由でもその料金は全額払い戻し、公証人での確認、あるいはテストセンターでの受験に振り替えさせていただきます」と書かれている。しかも身分確認の料金半額以下。コースの受講料も、クーポンコードを使った料金よりも安い。
大事なことは後出しにするわ料金は高いわがめついわバナーはうざいわ、これはキャンセルだな、と思ったらこれがまた大変だった。電話番号はつながらない、つながったと思ったら10分放置されてその後切れる…
消費者センターのサイトに行ったら、過去3年でこのオンラインコースに対する苦情が44件出されていた。
この時点で払い戻しは半ばあきらめ、せめて追加で金を払わされなくてすむだけでよしとしようと思い始め、オンラインではなく実際の教室での受講を決めた。こちらは雰囲気がどうであれ6時間拘束されて座っていれば終わる。最終試験もない(ちなみにオンラインコースの多くが、教室での受講は最終試験が課せられないことには触れていない)。
さいわいその後えらい苦労して払い戻しを受けたのだが、これに2時間かかった。
というわけで教室での受講になりました。ドーナッツとコーヒー持って行こう。
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