研修看護師制度
昨今アメリカの医療界に「研修看護師制度」が登場した。研修医制度の看護師版らしい。うちの病院が認定を受けたマグネット制度の一部っぽいけどよくわからない。
研修医制度はもう何十年と機能してきており、医大を卒業してめでたく医師免許を取得した若い医師が希望の病院でいろんな科を数か月ごとにまわって修行する(という名目で、実際は臨床を回す主要なマンパワーとして若い医者をがっつり使う)制度で、3年後には終了して本格的に医師として希望の方向へ進むというものだ。
一方研修看護師制度は今のところ話を聞く限りではOJT(実際の職場での職務訓練)の名前を変えただけのもののようだ。研修医制度のような期間は設定されておらず、またローテーションもない。これまでと同様、就職した場所でプリセプターシップを受ける。昨今は新人の獲得が大変だから、来てくれた新人が辞めちゃわないように名前を変えて手厚く保護しつつがんばってもらおう的なものを感じている。
わたしはアメリカに来て就職して以来同じ場所でぼちぼち勤務して、今年で15年目となった。10年目くらいで外科から内視鏡室に正式に異動し、現在は主任となったが、それでもやっぱり外科で人員がが少ないとそっちに回されている。外科もうちも患者数が増えて人員が十分でないが採用枠をつくるだけの予算がつかない一方、研修看護師は予算が別枠で部署の懐が痛まない。そんなわけで外科と内視鏡室をとりまとめる師長がいやいやながら研修看護師をふたりとることにしたらしい。で、内視鏡室にそのうちのひとりをまわす、かいるびおまえプリセプターをやれと任命された。
うちの外科部署は基本的に新人はとらずに来た。ある程度の急性期看護の経験がある看護師でないと麻酔回復室での勤務が難しいからだ。内視鏡室も、外科での勤務を見込んで採用している。でも求人難で募集をかけても人が来ないので、今回は術前部と内視鏡室という「まあ新人でもいけるんじゃないの」みたいなエリアに突っ込むことにしたらしい。でも、新卒で術前部とか内視鏡みたいな潰しの利かない部署に来てどうするんだろう。ICUに行けとは言わないけど、もうちょっとまともなアセスメント能力を得られるところに行けばいいのに、と思う。
新人相手のプリセプターなんてもう20年くらいやってないですと言ったら院内のプリセプター研修に行かせてもらえることになった。新人が来るのは10月。乞うご期待。
でもふと思ったんだけど、研修看護師の予算は別枠って言うけど、プリセプターシップってものすごい金がかかるんだよね。中途採用ならふた月もかければ独り立ちするけど本当の新人は半年ではきかない。却って人員不足に拍車がかかりそうだけど、その辺はいいのか。いいんだな。
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