小町っぽい某SNSの集会所を日々モニタリング中。
今回は「留学中にアメリカ人の彼と付き合い始めその後同棲し、留学を終えて帰国というところになって結婚の話が出たはいいが実はこいつが既婚者だった」という話。
ここまでは実によくある話なのだけれど、今回の話が一線を画しているのは「実質的な結婚生活が早期から存在しなかったらしい」という点。この彼氏曰くこの妻とは「その場の勢い」で結婚したそうな。だから共同名義の銀行口座もなければ保険の受取人にも妻の名はない。もう10年近く経過しており、その間まったく会っていず相手は行方不明。
ところが厄介なことにこの二人、なぜか婚前契約をきっちり締結させており、その中に「離婚は当事者が会って合意しないと成立しない」という内容が含まれているのだそうで、結婚生活が存在しないことを理由にしても勝手に離婚調停に持ち込むことができないと。
婚前契約というのは結婚前に結婚生活や離婚についての双方の条件を弁護士立会いのもとで定めるもので、たとえば有名人が離婚する際に相手に持っていかれる財産を減らしたいと思ったり、あるいは会社を起こそうという人が離婚の際に相手が借金を負わなくてすむようにしたかったりというような目的で作成する。うちはそんなもんがないので離婚するときには裁判で泥沼の闘いを繰り広げ…いやそんな財産ないですから。
探偵に依頼しても妻は見つからず、弁護士に相談しても離婚はできず、どうしたらいいでしょうかという内容。どうしましょうも何も、婚前契約がある以上手が出せない。集会所のみなさんも「きっと道は拓けますよ」という「ソース出せ」と言いたくなるような花の咲いたレスをつけるのみ。
道を拓くには…さしあたっては実質的な結婚生活が存在せず、手を尽くしても妻が見つからないということを盾に婚前契約の無効と離婚とを主張する訴訟を起こすくらいしかない。手間と費用と時間とを考えると気が遠くなるがこちとら外国人なので事実婚でいいやというわけにもいかない。婚約するか結婚するかしないと日本であれアメリカであれ合法的に一緒に暮らすことはできない。
アメリカには往年の「それは秘密です」みたいな再会番組はないのかしらん。いや、あってもこのケースは受けなさそうだ。再会して「チッ、見つかっちまったか、しゃあねえな離婚してあげるわよ」では視聴率が取れない。
日本だと失踪扱いにして捜索願を出して7年で死亡扱いにもできるし、だいたい住民票だのなんだので足取りがつかみやすいしでこんなトラブルはなさそう。
それにしてもこの妻が婚姻による経済的なメリットがない上に自身も再婚できないというデメリットを抱えながらもあえて行方をくらましている理由は一体なんだろう。彼氏は勢いで結婚したと言っているらしいけど、結婚免許証を取ってから結婚ができるという州がほとんどで日本のように三文判ついた紙一枚で婚姻成立というわけにはいかないし、勢いなら弁護士を依頼して婚前契約を締結するその周到さに違和感を感じる。
このアメリカ人、DVか妙な性的嗜好でもあったかな。
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